木工の電動工具を使用すると、木くずの処理が必要となってくる。
ここでは、電動工具使用開始と同時に集じん機を始動し、工具使用停止後少し遅れて集じん機を停止するといったことを自動で制御するコンセントの作成を紹介する。
なお、本コンセントはChappyさん作成の連動遅延コンセント(既に公開サイトは無くなっている)を作成した諸先輩方の情報やアイデアを取り込んでいるため、私のオリジナルでは無い。
また、費用的には製品(iVAC製品等)を購入するより若干安いくらいである。
▲1.道具をそろえる
ほとんどは一般的な道具だが、一部特殊な道具を使用する。
▲2.部品をそろえる
部品一覧を参照し、部品をそろえる。100個弱の部品や資材を使用する。
▲3.制御モジュールの作成
▲3-1.プリント基板
Seeed Fusionを利用することを前提としている。また、ユーザ登録は事前に実施しておく。登録情報は英語で入力なので少々戸惑う。
- 下記ファイルをダウンロードする。
fusionPCB_2019-02-18 - Seeed Fusionに接続する。
- 「$7.9基盤試作サービス」メニューを選択する。
※このサービスは期間限定のため、無い場合、[今すぐ発注]を押す。 - [ガーバーファイルを追加]を押す。
- ダウンロードしたファイルを選択し、[開く]を押す。
※「ガーバービューア」を押すとイメージが確認できる。 - 「レジスト色」を好きな色を選択。
- [カートに追加]を押す。
- 配達手段や支払い方法を選択し、発注する。
発注から2週間で届いたプリント基板。FusionPCBから聞かれ、1層でいい返事したのがまずかった。初号機では2層の黒でなかなか良かったのに。せめて2層にすればよかった。
▲3-2.ハンダ付け
プリント基板に部品を下記順番で半田付けする。かなり詰め込んだため、部品同士が干渉しやすいことから、半田付けする順番を考慮する必要がある。
- 半固定抵抗
- コネクタ
- コンデンサ
- 抵抗
- ダイオード
- トランジスタ
- IC
▲4.ケースの加工
ケース(WV7003W)に電源コードを通すベークノズル、スイッチ、LED、SSRのための穴を開ける。ギリギリの位置で搭載するため、0.1mm単位の精度で加工したかったが、実際はざっくり開けて、微調整。。。
▲4-1.底面の加工
ケース底面に直径12mmのベークノズル取り付け穴を開ける。
▲4-2.左側面の加工
ケース左側面に19mm x 13mmのスイッチ取り付け穴2つ、直径3mmと直径6mmのボリューム取り付け穴を開ける。
▲4-3.右側面の加工
ケース右側面に21.6mm x 21.6mmを45°傾けた穴と直径4mmのSSR取り付け穴を開ける。
▲4-4.蓋の加工
蓋に直径7mmのLED取り付け穴を開ける。
▲5.ヒートシンクの作成
アルミ板を加工し、SSRのヒートシンクを作成する。
- 100x200x2のアルミ板を切断幅1mmとして、39.2mm幅の5枚作製する。
- ①、⑤を底面側、②~④を側面側としてSSR取り付け穴を開け、①と⑤は折り目で90°に折り曲げる。
▲6.5V通電部部品の加工
そろえた部品を組み合わせ基盤以外の5V通電部の部品について加工する。各部品に線材やコネクタを圧着するため、ここでは特殊なペンチを使用する。
▲6-1.インダクタ
インタダクタに結線する。
- 線材(AWG24)を10cm×2本(茶を2本)を用意。(道具:ニッパ)
- 線材の片方を2mm(コンタクトピン用)、もう片方を10mm剥ぐ。(道具:カッター)
- 線材の10mmをインダクタの2本に巻き付け、半田付けする。(道具:半田ごて、半田)
- 収縮チューブφ1.5mmを15mm切り、を各線材に通し、半田付け部分を加熱・収縮させる。(道具:ハサミ、ライター)
- コンタクトピンに2mm側を差し込み、心線部分を1.6mm、被服部を1.9mmで圧着する。(道具:圧着ペンチ)
▲6-2.LED
Power LEDとCheck LEDをブラケット入LEDに結線し作成する。
- 線材(AWG24)を10cm×2本(橙、黒)、15cmx2本(緑、黒)を用意。(道具:ニッパ)
- 線材の片方を2mm(コンタクトピン用)、もう片方を10mm剥ぐ。(道具:カッター)
- 線材の10mmをブラケット入LEDの底面に記載されている”-“に黒、”+”に橙(PowerLED)または緑(CheckLED)を巻き付け、半田付けする。(道具:半田ごて、半田)
- 収縮チューブφ1.5mmを10mm切り、を各線材に通し、半田付け部分を加熱・収縮させる。(道具:ハサミ、ライター)
- 収縮チューブφ3.0mmを15mm切り、”+”と”-“の2本を束ね、加熱・収縮させる。(道具:ハサミ、ライター)
- コンタクトピンに2mm側を差し込み、心線部分を1.6mm、被服部を1.9mmで圧着する。(道具:圧着ペンチ)
▲6-3.ボリューム
ボリュームに結線する。
- 線材(AWG24)を15cm×2本(黒と青)を用意。(道具:ニッパ)
- 線材の片方を2mm(コンタクトピン用)、もう片方を10mm剥ぐ。(道具:カッター)
- 線材の10mmをボリュームの1ピンに青、2ピンに黒を巻き付け、半田付けする。(道具:半田ごて、半田)
- 収縮チューブφ2,0mmを10mm切り、を各線材に通し、半田付け部分を加熱・収縮させる。また、3ピンも同様にする。(道具:ハサミ、ライター)
- コンタクトピンに2mm側を差し込み、心線部分を1.6mm、被服部を1.9mmで圧着する。(道具:圧着ペンチ)
▲6-4.PowerSW
電源スイッチに結線する。
- 線材(AWG24)を8cm×2本(黄)を用意。(道具:ニッパ)
- 線材の片方を2mm(コンタクトピン用)、もう片方を10mm剥ぐ。(道具:カッター)
- 線材の10mmを電源スイッチの1番ピンと2番ピンに巻き付け、半田付けする。(道具:半田ごて、半田)※ハンダNG?
- 収縮チューブφ3.0mmを15mm切り、を各線材に通し、半田付け部分を加熱・収縮させる。(道具:ハサミ、ライター)
- コンタクトピンに2mm側を差し込み、心線部分を1.6mm、被服部を1.9mmで圧着する。(道具:圧着ペンチ)
▲6-5.ManualSW
マニュアルスイッチに結線する。
- 線材(AWG24)を15cm×4本(灰2本、青1本、白1本)を用意。(道具:ニッパ)
- 線材の片方を2mm(コンタクトピン用)、もう片方を15mm剥ぐ。(道具:カッター)
- 線材(灰2本)の10mmをマニュアルスイッチの1番ピンと2番ピンに巻き付け、半田付けする。(道具:半田ごて、半田)
- 線材(青、白)の10mmをマニュアルスイッチの”+”ピンに青、”-“ピンに白を巻き付け、半田付けする。(道具:半田ごて、半田)
- 収縮チューブφ2.0mmを10mm切り、を各線材に通し、半田付け部分を加熱・収縮させる。(道具:ハサミ、ライター)
- コンタクトピンに2mm側を差し込み、心線部分を1.6mm、被服部を1.9mmで圧着する。(道具:圧着ペンチ)
▲6-6.SSR
SSRキットを作成しつつ、結線する。
- SSRキットの基盤へ部品を説明書通り半田付けする。この時、SSRには半田付けしない。(道具:半田ごて、半田)
- 線材(AWG24)を10cm×2本(紫、黒)を用意。(道具:ニッパ)
- 線材の片方を2mm(コンタクトピン用)、もう片方を2mm(SSR側接続用)剥ぐ。(道具:カッター)
- SSR基盤の”+”に紫、”-“に黒を差し込みハンダ付けする。(道具:半田ごて、半田)
- コンタクトピンを各線材を差し込み、心線部分を1.6mm、被服部を1.9mmで圧着する。(道具:圧着ペンチ)
- SSRに基盤を半田付けする。(道具:半田ごて、半田)
▲6-7.5V電源
5V電源に結線する。
- 線材(AWG24)を6cm×2本(赤、黒)を用意。(道具:ニッパ)
- 線材の片方を2mm(コンタクトピン用)、もう片方を2mm(5V電源側)剥ぐ。(道具:カッター)
- 線材の片方を5V電源の5VピンとGNDピンに差し込み、半田付けする。(道具:半田ごて、半田)
- XH用コンタクトピンに2mm側を差し込み、心線部分を1.6mm、被服部を1.9mmで圧着する。(道具:圧着ペンチ)
- 線材(AWG20)を15cm×2本(灰、黒)を用意。(道具:ニッパ)
- 線材の片方を5mm(棒状端子側)、もう片方を2mm(5V電源側)剥ぐ。(道具:カッター)
- 線材の2mm側を5V電源の”L”に黒、”N”に白を差し込み、半田付けする。(道具:半田ごて、半田)
- 線材2本の5mm側を側絶縁被覆付棒状端子に差し込み、MH-32(絶縁被覆付用圧着ペンチ)で圧着する。
▲7.100V通電部部品の加工
100V通電する部品の加工。
▲7-1.電源プラグ
電源プラグを加工する。
- 延長ケーブルを30cmのとことで切断する。(道具:ニッパ)
- 切断したケーブルの表面被覆を5cm剥ぐ。(道具:カッター)
- 取り出した2本をさらに5mm剥ぐ。(道具:カッター)
- ケースにベークノズルを取り付け、ケーブルを通す。
- 側絶縁被覆付棒状端子にケーブルを差し込み、MH-32(絶縁被覆付用圧着ペンチ)で圧着する。
▲7-2.コイル
通電検出用コイルを作成する。
- VVFケーブルの黒を30cm取り出す。
- 両端を10mm剥ぐ。
- 4cmのところから直径11mmで6回巻きコイルにする。
(単4電池に巻くのが丁度良い)
▲7-3.SSR結線用線材
SSRへ結線する線材を作成する。
- 延長ケーブルの切断したコンセント側から黒10cmを2本切り出す。
- 両端を10mm被覆を剥ぐ。
- 片側に絶縁被覆付棒状端子、もう片方に差込形接続端子をMH-32(絶縁被覆付用圧着ペンチ)で圧着する。
▲7-4.コンセント
コンセントを結線する。
- VVFケーブルから白5cmを2本、黒5cmを1本切り出す。
- 両端を10mm被覆を剥ぐ。
- 埋込絶縁ワンタッチ取付枠に上から、埋込扉付コンセントを2つ、埋込コンセントを1つはめ込む。
- 埋込扉付コンセント間に白(接地側)と黒(電圧側)をわたり線として差し込む。
- 埋込扉付コンセントと埋込コンセント間に白(接地側)をわたり線として、差し込む。
- コイルを一番上のコンセントの電圧側に差し込む。
▲8.組み立て
加工した部品を組み立てる。
- 蓋に上から赤、緑の順でLEDを取り付ける。
- スイッチを上からPowerSW、ManualSWを取り付ける。
- ボリュームを取り付ける。
- SSRをはめ込み、ステンレス六角穴付ボルトをバネ座金通し、ケースの外側にヒートシンク③、②、①、④、⑤の順に重ねナットで締める。
- コネクタに各コンタクトピンを差し込む。
- コネクタを制御基板に差し込む。
- SSR結線用線材で埋込コンセントとSSRのT2間を結線する。
- SSR結線用線材でワンタッチ・コネクターとSSRのT1間を結線する。
- コイルをワンタッチ・コネクターに結線する。
- 5V電源の黒をワンタッチ・コネクターへ、灰を埋込コンセントに差し込む。
- 電源プラグの白を一番下のコンセントに差し込む、黒をワンタッチ・コネクターへ差し込む。
- インダクタをコイルに差し込む。
- ケースに制御基板、5V電源、ワンタッチ・コネクターを押し込み、コンセントをケースにケース付属のねじで止める。
- 蓋をはめる。